2008 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨髄及び自家歯髄由来幹細胞の迅速大量培養による硬組織再生促進療法の臨床実用化
Project/Area Number |
19592207
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 毅 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90244079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳口 嘉治郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50264255)
山田 志津香 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00363458)
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Keywords | 迅速大量培養 / 減圧播種 / 還流培養 / キトサン / ハニカム状多孔体 / 細胞移植療法 |
Research Abstract |
本研究は今後3〜4年後の臨床実用化を目標に、天然有機多糖体であるキトサンを自家細胞移植システムのScaffold(坦体)として用い、21世紀前半の医療として期待が多い再生医療の内、硬組織再生、特に歯槽骨および象牙質再生医療技術の開発・確立を目指すものである。そこでH19年度には「間葉系幹細胞増殖の効率化と骨芽細胞および象牙芽細胞への分化誘導促進化技術の開発」ならびに「Scaffoldの幾何学的三次元構造の解析」の検討を行った。すなわちラット下顎骨から分離した間葉系幹細胞(BMSCs)に成長因子増殖法(線維芽細胞成長因子(bFGF)を1ng/ml培養液に添加)を応用したところ、10mmの培養皿1×10^6cells播種し約14日後のコンフルエントとなった。キトサン投与の有無によるGene Fishing法とリアルタイムPCRによる定量分析によって、硬組織形成関連遺伝子(ALP, Osteocalcin等)の発現を検討したところ、0.005%添加した状態が最も上記遺伝子群の発現増強が確認できた。さらH20年度には細胞の多孔性坦体への侵入効率を上げるために減圧下(100mg)で細胞播種し、還流培養装置を用いて細胞が常に新鮮な培養液と接するような培養システムを構築し良好な結果が得られた。Scaffoldに関してはアンモニアガスを用い、凍結乾燥処理をして得られたハニカム状凹型構造スポンジ体を作成し、細胞の坦体への細胞接着が良好となり、坦体移植部位からの細胞拡散を防止するためporesizeが200〜400μm、気孔率が70〜80%になるよう調整を行った。 現在はこれら細胞-坦体複合体を生体内へ移植し、硬組織再生に関して病理組織ならびに免疫組織学的検討を加え、また形態学的にCa親和性のある蛍光色素であるカルセインを腹腔内に投与し、共焦点レーザー走査型顕微鏡にて経時的な硬組織形成度を定量評価し、実際の臨床応用におけるタイミングの良い移植時期を検討中である。
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Research Products
(2 results)