2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーの低エネルギー効果を生物学的に解析して硬組織再生療法への応用法を確立する
Project/Area Number |
19592209
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
横瀬 敏志 Ohu University, 歯学部, 教授 (90245803)
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Keywords | 炭酸ガスレーザー / 低エネルギー / 骨組織再生 / メカニカルフォース |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるため、ターゲットになる組織を骨組織に限局して、炭酸ガスレーザーを直接骨組織に照射し、骨造成に対する効果を確認し、そのメカニズムを解析することを最大の目的とし以下の実験を行った。(目的):炭酸ガスレーザーは10,6μmの波長を示すハードレーザーで、その出力によって組織や細胞を活性化するLLLT(low level reactive laser therapy)作用と、組織を蒸散させるHLLT(hard level reactive laser therapy)作用を持つことが知られている。最近、歯周病やインプラント治療においてLLLT作用を顎骨や歯槽骨の再生に応用する試み示なされている。しかしながら炭酸ガズレーザーの骨組織に対ずる生物学的作用はほとんど知られていないのが現状である。本研究の目的は炭酸ガスレーザーをメカニカルフォースとして捉え、ラット脛骨に照射後に見られるLLLT作用を形態学的ならびに分子生物学的に検討した。(方法)10週齢のメスSDラットの左側脛骨に出力1.5W,照射直径1.4mm,照射時問1秒で4箇所照射した。対照として右側の脛骨にはデンタルバーにて同じ面積の骨欠損を作成した。術後、30分、3時間、6時間、24時間、3日、5日、7目に左右の脛骨を摘出し、試料とした。試料を固定後EDTAにて脱灰しパラフィン切片を作成し、osteopontinとlef-1,の免疫組織化学的染色を行った。(結果)炭酸ガスレーザー照射した脛骨の骨髄側には照射後24時間からosteopontin陽性細胞の凝集がみられ、3日目から同部位に骨形成が認められた。また、照射後3時間からレーザー照射した皮質骨の骨細胞にLef-1の発現が局所的に強くみられ、骨形成がみられる5日目まで発現していた。これに対してデンタルバーを用いた脛骨の骨髄側には骨形成は見られず、皮質骨の骨細胞での発現の強度には変化が見られなかった。(結論)炭酸ガスレーザーによって誘導された骨形成には、骨細胞とwntシグナルが関与する可能性が示された。
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Research Products
(2 results)