2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規シランカップリング剤の合成によるプライマーおよびコンポジットレジンの開発
Project/Area Number |
19592215
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
二瓶 智太郎 Kanagawa Dental College, 歯学部, 講師 (50237781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 行成 東京理科大学, 工学部, 助教 (70277276)
|
Keywords | シランカップリング剤 / プライマー / コンポジットレジン / 接着性 / 耐水性 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき,新規疎水性シランカップリング剤を種々合成,開発した.また,合成したシランカップリング剤の処理効果をガラス面に対するコンポジットレジンの接着強さから検討した.その結果, 1.合成した新規疎水性シランカップリング剤は,1H-NMR,FT-IR,Massにより目的物である1分子内に重合性基と疎水性基であるベンゼン環をもつシランカップリング剤であることを確認した.また,ベンゼン環を挟み加水分解性基と有機官能基の位置が異なる3種(M-p-MBS,p-MBS,o-MBS)のシランカップリング剤の合成に成功した. 2.上記に合成した新規疎水性シランカップリング剤を用いて,市販並板ガラスに処理を施し,コンポジットレジンの初期接着強さを水中保管およびサーマルストレス後に計測した結果,p-MBS>M-p-MBS>o-MBSの順で高く,3-MPSと比較してp-MBS,M-p-MBSは有意に高い値であった(p<0.05).また,ガラス面処理後に加熱してからコンポジットレジンを接着した試料も同様な結果であったことから,ベンゼン環の挟み加水分解性基と有機官能基が対称性に位置するシランカップリング剤がカップリング層とレジンマトリックスとの相溶性が増し,フィラーとベースレジンの親和性が高められ,さらにカップリング層の疎水性が向上したことが示唆された. 以上より,ベンゼン環の挟み加水分解性基と有機官能基が対称性に位置するシランカップリング剤は,特に加熱処理を施すと3-MPSと比較して有意に高い接着強さが得られ,しかもカップリング層の耐加水分解が向上し,耐水耐久性が良好であったと考えられた. この結果から研究実施計画に基づき,試作コンポジットレジンを製作中である.
|
Research Products
(3 results)