2007 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック前駆体ポリマー『ポリシラザン』のジルコニア接着への応用
Project/Area Number |
19592216
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
花岡 孝治 Kanagawa Dental College, 歯学部, 講師 (40198776)
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Keywords | ペルヒドロホリシラザン / シリカコート / ジルコニア / 接着 |
Research Abstract |
審美修復の要求に伴いジルコニア高強度型セラミックスの臨床応用が進んでいるが,ジルコニアとレジンセメント間には,満足すべき接着は得られていない。そこで,申請者は,新しい表面処理法として,セラミック前駆体ポリマーであるペルヒドロポリシラザン(PHPS)に着目し,形成されるシリカ層が,ジルコニア/レジン間の接着を改善するかどうかを検討すると共に,その最適な使用方法,処理条件め決定を,2種PHPS(NL-120;Pd系触媒,NP-110;アミン系触媒)を用いて行った結果,次の結論を得た。 1. 焼成プログラムの決定:10%NL-120およびNP-110はそれぞれ,500℃10分,300℃10分でPHPSからシリカへの良好な転化が示された。 2. シリカ膜厚の最適化:PHPS溶液の濃度を変化させることで膜厚をコントロールできることが示された。NL-120およびNP-110でそれぞれ,5%で(0.38um,0.18um),10%で(0.85um,0.42um)が得られ,NP-110はNL-120の約2倍の膜厚を示すこと認められた。 3. NP-110を応用した接着試験では,シリカ/ジルコニア接着界面の破壊が示され,ジルコニアの接着には適さないことが示された。 4. NL-120の500℃以上の焼成では,シリカ/レジン間の接着破壊が示されるものの,紫外線照射によるシリカ層の親水化処理により接着の増加が認められた。 以上の実験結果から,ジルコニアに対してレジン接着を向上させるにはNL-120を用いたシリカコーティングおよび紫外線照射によるシリカ面の親水化処理(OH基の増加)が有効であることが示された。
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Research Products
(2 results)