2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規バイオアクティブ修復材料によるう蝕象牙質再石灰化療法の開発
Project/Area Number |
19592218
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
秋本 尚武 Tsurumi University, 歯学部, 講師 (40184113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 かをる 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80213867)
原 麻由子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80434398)
英 將生 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80329226)
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Keywords | う蝕象牙質 / 再石灰化 / バイオアクティブ修復材料 |
Research Abstract |
う蝕治療におけるMI療法を確立するため,既存のバイオアクティブ修復材料およびS-PRG(Surface Pre Reacted Glass-ionomer)を用いた試作品による脱灰象牙質の再石灰化の可能性とその程度について検討することを目的として研究を行っている.S-PRGフィラーにはミネラルのリリース&リチャージ能があるといわれており,継続的に各種ミネラルが脱灰象牙質に作用することで再石灰化することが考えられる.一方でう蝕象牙質にはう蝕原性菌が存在しており,一般的に再石灰化を起こしにくい環境になっている. う蝕原性菌存在下におけるS-PRGフィラーから溶出したミネラルの挙動について知るために以下の実験を行い,S-PRGフィラーのう蝕原生菌(Streptococcus mutans)に対する影響を検討した. (1)S-PRGフィラーからの各種イオン溶出の測定,(2)S-PRGフィラーから溶出したイオン水(S-PRGイオン水)のう蝕原生菌の発育抑制効果,(3)S-PRGイオン水と抗菌性モノマーMDPB配合クリアフィルメガボンドFAの抗菌性の比較.結果より,S-PRGフィラーから滅菌水中へは,A1,B,Na,Si,Sr,そしてFの溶出が認められた.また寒天平板による評価からS-PRGイオン水によるう蝕原性菌の発育抑制効果は認められなかった.そして寒天平板および混釈培地による評価からは,S-PRGイオン水はクリアフィルメガボンドFAと比較して抗菌性が認められなかった.これらの結果より,S-PRGフィラーから溶出したイオン水自体は,今回実験に用いたう蝕原生菌(S.mutans)に対し影響がないことがわかった. 現在ヒト抜去歯にう蝕原生菌による人工齲蝕脱灰試料を作成し,う蝕原生菌存在下における脱灰象牙質に対し,S-PRGを含む材料および既存のバイオアクティブ修復材料による再石灰化の可能性を検討中である.
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