2007 Fiscal Year Annual Research Report
カスタムインプラントに適した歯科CAD/CAM用チタン合金の開発
Project/Area Number |
19592223
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 聖史 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50250791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10206766)
高橋 正敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50400255)
稲垣 亮一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (60260444)
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Keywords | チタン合金 / 歯科用合金 / CAD / CAM / インプラント / 切削性 / 耐食性 |
Research Abstract |
カスタムインプラントに適した合金の候補として、今までの研究によってチタンより優れた研削性と機械的性質を有することが分かったTi-Cu合金とTi-Ag合金が考えられた。歯科CAD/CAMによるチタンの加工は、エンドミルによる切削が一般的であるので、試作合金のエンドミルによる切削性を切削力の点から調べた。その結果、Ti-Ag合金の切削力は銀の添加量が多くなるほど減少する傾向が見られ、逆に、Ti-Cu合金の切削力は銅の添加量が多くなるほど増加する傾向が見られた。その原因として、Ti-Cu合金中の金属間化合物がTi-Ag合金中の金属間化合物より硬いことや、量が多いことが考えられた。したがって,切削力の点からは、歯科CAD/CAMによるカスタムインプラントの製作にはTi-Ag合金の方がTi-Cu合金より適していると考えられた。Ti-Ag合金の耐食性を0.9%NaCl水溶液における自然電極電位の測定と溶出試験によって調べた。その結果、銀の含有量が20%以下のTi-Ag合金の耐食性は、チタンと同等以上であることが分かった。一方、銀の含有量が27.5%以上のTi-Ag合金は、金属間化合物の優先溶解によって耐食性が低下する可能性があることが分かった。銀の添加量が25%以下のチタン銀合金は、溶出イオン量が検出限界以下もしくは極僅かであり、金属間化合物が優先溶解したとしてもその後に再不動態化するので、カスタムインプラント用として使用可能であると考えられた。
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