2008 Fiscal Year Annual Research Report
カスタムアバットメントの形態が上部構造体の強度に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
19592224
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲垣 亮一 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 講師 (60260444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 正係 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70005073)
菊地 聖史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50250791)
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Keywords | インプラント補綴 / アバットメント / エクスターナルジョイント型 / インターナルジョイント型 / 上部構造体 / 三次元有限要素法 |
Research Abstract |
今日, 歯科インプラント補綴は, 欠損修復の方法としての優先順位が義歯と入替わるとされる程の有力な選択肢となっている. この補綴方法は, インプラント体(フィクスチャー)にアバットメントをスクリューにより固定し, セラミックス修復物などの上部構造体を被覆させる方法である. しかし, 長期間の臨床観察が行われるにしたがって, スクリューの緩みやそれに起因した修復物の破折などの事例が報告されるようになっている. このような現状から, 口腔内で安心して咬合や発音などの機能を営め, 審美的にも優れたインプラント補綴を行うために, その礎となる最適なアバットメントの形態を三次元有限要素法によるシュミレーションから応力解析を行い検討するのが本研究の目的である. 現在, 発売されている約20種類のインプラントシステムは, インプラント体とアバットメントの結合方式から, 1)エクスターナルジョイント型(インプラントトップの外側にナット状の回転防止機構を有するタイプ)と2)インターナルジョイント型(インプラント体内部に回転防止機構を有するタイプ)に大きく分類される. そこで離脱などの現象が惹起される原因を探るため, ジョイントタイプの異なる2種類の形態での線形静解析を行い, それぞれの応力分布の比較を行った. その結果, いずれのタイプでもジョイントネジの弾性部分に応力が発生しており, 特にタップ部分に応力が集中していることが分かった. また, エクスターナルジョイント型が, インターナルジョイント型よりも狭い範囲に応力が集中し, ジョイントネジ部分に発生する応力は, インターナルジョイント型の約1.3倍であることが分かった. したがって, ジョイント部分の応力分布傾向と一般的な応力分布は, 一様になることが理想と考えられることから, インターナルジョイント型の優位性が示唆された.
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