オッセオインテグレーション早期獲得を目指した即時・早期荷重プロトコルの開発

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19592226
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小山 重人 Tohoku University, 東北大学・病院, 准教授 (10225089)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渡邉 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768) ; 佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644) ; 伊藤 正敏 東北大学, 核医学研究所, 教授 (00125501) ; 横山 政宣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20396500) ; 佐々木 洋人 東北大学, 病院, 医員 (60431582)
• Keywords: 歯科インプラント / オッセオインテグレーション / 即時・早期荷重

Research Abstract

インプラント治療においては,オッセオインテグレーション獲得までの期間の短縮が重要課題である.従来の即時荷重プロトコルは明確な生物学的なエビデンスが得られておらず,臨床経験主導のもとに進められてきた.一方,Mchanobiology的観点に立脚すれば,メカニカルストレスがインプラント周囲骨細胞の機能および形態を形成・亢進する可能性があるが,即時荷重・早期荷重を加え際にインプラント体と骨の界面で生じている現象に関する研究は,組織学的評価がほとんどである.即時荷重・早期荷重時のインプラント周囲で生じる骨代謝回転を経時的に観察する核医学的手法を用いた骨シンチグラフィが有用である.
本研究は,即時荷重・早期荷重下のインプラント体周囲のオッセオインテグレーションの獲得,骨代謝の状況を骨シンチグラフィから経時的,定量的に評価することにより,その生物学的根拠と安全性を明らかにし,インプラント治療に関するトランスレーショナルリサーチとして,即時・早期荷重プロトコルの開発を目的とした.実際には、実験動物へのインプラント体埋入モデルを用い,即時荷重・早期荷重下のインプラント体周囲のオッセオインテグレーションの獲得,骨代謝の状況を骨シンチグラフィから経時的,定量的に測定すること,および,オッセオインテグレーションの獲得過程に,開始時期・大きさを変化させた荷重を行うことにより,オッセオインテグレーション期間を短縮できる荷重条件を検索することを計画した.
本年度の研究成果としては,オッセオインテグレーション獲得後に荷重を加えた実験系においては,骨結合したインプラント体へ負荷が加わると,再びインプラント周囲骨代謝回転が賦活され適応により再度下降すること,さらにそれが荷重量・荷重期間によって異なることを明らかになり,オッセオインテグレーションと荷重量・荷重時期には密接な関係があることを示唆された.