2007 Fiscal Year Annual Research Report
微小表面接触疲労にもとづく修復用材料の表面劣化とその耐久性の改善
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19592252
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤井 孝一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60156817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 裕之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90128405)
南 弘之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50244257)
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Keywords | 表面疲労 / 動的粘弾性 / コンポジットレジン / 重合率 / 修復用材料 |
Research Abstract |
平成19年度の課題は、本研究に必要な主要設備である表面接触疲労試験機、および劣化表面の3次元表面形状測定システムの設置完了を平成19年8月末日とし、その後、有機材料の表面接触疲労機構を検討することであった。しかしながら、3次元表面形状測定システム納入後の、構成部品の不調のため、交換および再調整に時間を要し設置完了日が約3ケ月ほど遅延した。したがって、この間に市販修復材料の動的粘弾性(すなわち、動的ずり弾性率、損失弾性率、損失正接)、物理的・機械的性質、耐摩耗性、重合率などについて検討した。光重合型の市販修復材、9種類の歯冠用硬質レジンの動的ずり弾性率は、ねじりを受ける材料がもつ貯蔵弾性率に匹敵するもので、この値は硬さ値とともに光照射時間の増加に伴い増大する傾向を示した。また、これらの材料のマトリックスレジンに使用されている多官能性モノマーの重合率が高いほど、動的ずり弾性率、硬さともに大きな値を示した。さらに、動的粘弾性の繰返し測定を行った後に、動的ずり弾性率と硬さの値は明らかに増大した。これは繰返し測定後の重合率の値が増大していることから、光照射後の材料中に存在する未重合の多官能性モノマーが、加熱により重合が進んだことによるものであることは明らかである。フィラー含有率の高いものはまた動的ずり弾性率も大きかった。メーカーにより光照射後に110℃前後の加熱を指示された材料は、37℃および80℃で、加熱の指示のない他の6種類の材料よりも有意に大きな動的ずり弾性率を示した。現在、これらの材料を用いて、予定より遅れた表面接触疲労の実験を進めているが、疲労試験には時間を要するため、総括できるまでの結果が得られておらず、必要な残りの測定を進行中である。
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Research Products
(3 results)