2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシアパタイトで被覆した骨伝導型多孔質インプラントの開発と骨伝導機構の解明
Project/Area Number |
19592257
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 一彦 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 准教授 (70168821)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / 口腔インプラント / チタン / 骨伝導性 / 多孔質インプラント / 表面処理 |
Research Abstract |
本研究では、ヒドロキシアパタイト(HA)が骨伝導性を発現する機構を明らかにするとともに、多孔質なインプラントのフィクスチャーに対しても、高い骨伝導性を有するHA薄膜を細孔の内部まで均一に形成するコーティング法を確立することを最終目的としている。研究初年度である平成19年度は、主にアルカリ処理を施した純Ti上に液中基盤加熱法によって形成するHA皮膜の形成条件と析出したHA薄膜の構造ならびに特性との関係を詳細に調べた。 自発的に沈着物ができることのない準安定化リン酸カルシウム溶液(Ca/P=1.67)中では、溶液のpHが7.0-7.4、基盤温度が50℃-70℃の条件下で純Ti基盤上にHA薄膜が形成されることが明らかとなった。また、(1)化学量論比1.67に近いHA結晶が析出する、(2)基盤温度が低いほど薄膜を形成するHAの結晶が微細になる、(3)基盤加熱時間に比例して薄膜の厚さが増大することなどが分った。さらに、HA析出量の温度依存性からHA結晶成長の活性化エネルギーを求めたところ47kJ/molとなり、HA結晶の成長過程は拡散律速ではないことが明らかとなった。 形成したHA薄膜の溶解性を生理食塩水中で7日間にわたって調べたところ、時間の経過とともにHAの溶解量は増大した。また、HAの溶解にともなって溶液のpHが5.8から6.72まで上昇し、HAはpH緩衝能を有することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)