2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシアパタイトで被覆した骨伝導型多孔質インプラントの開発と骨伝導機構の解明
Project/Area Number |
19592257
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 一彦 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 准教授 (70168821)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / 口腔インプラント / チタン / 骨伝導性 / 多孔質インプラント / 表面処理 |
Research Abstract |
研究2年目となる平成20年度は、形成したヒドロキシアパタイト皮膜のpH緩衝能とHA皮膜を形成した純Ti試料の耐食性に関して調べた。 リン酸カルシウム過飽和溶液中で純Ti基盤を60℃に加熱して、約20μmのヒドロキシアパタイト(HA)薄膜を形成した。このHA薄膜上にpHを5.3に調整した3%寒天と0.1Mの塩化カリウムからなるゲル層を0.5mm形成し、その表面に液絡部が平坦なpH電極を設置し、HA薄膜に接した寒天ゲルのpHを連続的に測定した。その結果、HAの溶解にともなって寒天ゲルのpHが時間の経過とともに上昇し、24時間後にはpHが約6.5に達した。これらの結果から、HA薄膜のpH緩衝能を確認することができた。 次にHA薄膜を形成した純Ti基盤の耐食性を生理食塩水中で交流インピーダンス法を用いて評価した。交流インピーダンスの測定から求められた分極抵抗の値は、研磨した純Ti試料とアルカリ処理後にHAを形成した純Ti試料で有意な差は認められず、表面処理によって純Ti試料の耐食性は変化しないことが分かった。また、純Ti試料にイオンスパッタ法でPtを5nmコーティングし、400℃で10分間高温酸化処理した後HA薄膜を形成した試料は、純Tiが激しく腐食する酸性フッ化物溶液においても高い耐食性を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)