2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシアパタイトで被覆した骨伝導型多孔質インプラントの開発と骨伝導機構の解明
Project/Area Number |
19592257
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 一彦 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (70168821)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / 口腔インプラント / チタン / 多孔質インプラント / 骨伝導性 / 表面処理 |
Research Abstract |
研究3年目となる平成21年度は、主に多孔質な表面に対してHA薄膜を形成する条件を確立することを目的とした。直径0.1mmの球形ビースを付与した純Ti基盤を5Mの水酸化ナトリウム溶液中でアルカリ処理を施し、その後リン酸カルシウム過飽和溶液中で50~70℃に加熱してヒドロキシアパタイト(HA)の薄膜を形成した。いずれの条件においても、HA薄膜は細孔内部の表面にも析出し、そのCa/P比はHAの化学量論比に近かった。また、基盤温度を50℃に設定した時に最も均一なHA薄膜が形成されることが分った。さらに、温度が低いほど、薄膜を形成する板状のHA結晶は微細になることが確かめられた。したがって、多孔質表面の微細な細孔の内部まで均一なHA薄膜を形成する場合には、基盤温度を50℃に設定したほうがよいことが明らかとなった。これらの結果から、当該年度の研究目的であった多孔質な表面に対してHA薄膜を形成する条件を確立することができた。 さらに、HA薄膜を形成した純Ti基盤を電気炉内にて700℃で1時間加熱し、0.9%塩化ナトリウム中で電気化学的手法を用いて耐食性を評価したところ、熱処理前の試料と比較して著しく耐食性が向上することが明らかとなった。また、HA薄膜を形成した口腔インプラントのフィクスチャーと組み合わせて使用するアバットメントの表面処理として、TiNコーティングが有用であることを明らかにした。TiN皮膜は酸性フッ化物溶液中で化学的に安定であり、高い耐食性を示した。
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Research Products
(3 results)