2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロテンサイル接着強さから評価したガラスセラミックスの最適な表面処理条件
Project/Area Number |
19592267
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
羽田 詩子 Asahi University, 歯学部, 講師 (30288378)
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Keywords | 歯学 / 歯科理工学 / 歯科用材料 / 接着 / 歯科用セメント / オールセラミッククラウン / マイクロテンサイル接着試験 |
Research Abstract |
オールセラミック修復物の中で高い光透過性を有するIPS Empress 2(IVOCLAR VIVADENT)は,優れた審美性や適合性に加え,レジンセメントとの高い接着強さや接着耐久性を示す.インゴットをプレスして製作されたEmpress2コア材はレイヤリング法により繰り返し焼成される,このシリカベースセラミックスであるEmpress2コア材の繰り返し焼成が,コア材のレジンセメントとの接着界面となる表面の微構造および表面性状に与える影響と,接着に不可欠な酸処理による変化について観察し,さらにレジンセメントとの接着性に与える影響について,マイクロテンサイル接着試験から評価した. 試料には8×8×11mmの板状試料を製作し,被着面を耐水研磨紙♯4000まで研磨後,4回焼成し,2個のコア材をレジンセメントで接着した,試料の接着は,接着性レジンセメントValiorink II(IVOCLAR VIVADENT)のシステムにより行った.未焼成の試料も接着した.接着した試料は37℃蒸留水中に1週間保存してから,マイクロテンサイル接着試験試料として,接着面積が1mm×1mmの試料を低速ダイヤモンド切断機を用いて製作した,マイクロテンサイル接着試験は,ステンレスホルダーに、アクリル接着剤で固定し,万能試験機EZGraph(島津製作所)を用いてクロスヘッドスピード1mm/minで引張り,破断時の最大荷重から接着強さを求めた. 1.X線解析パターンから繰り返し焼成はEmpressコア材の結晶組成に影響を与えないが,焼成回数に伴い,結晶の配向に変化が生じていることが示唆された. 2.繰り返し焼成は,酸処理後のEmpress2コア材の表面性状に大きな影響を与えることが分った. 3.繰り返し焼成は,引張り接着強さに有意な影響を与えなかった.
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