2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨埋入炭酸含有アパタイトによる新生骨誘起メカニズム
Project/Area Number |
19592268
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
小萱 康徳 Asahi University, 歯学部, 准教授 (30076046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
久保 金弥 朝日大学, 歯学部, 講師 (00329492)
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Keywords | 代用骨 / 炭酸含有アパタイト / 多核巨細胞 / 骨形成 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
炭酸含有アパタイト(CA)吸収細胞の微細構造:我々は先にCAの優れたbiocompatibilityおよびosteoconductivityについて報告してきたが、CAの吸収過程や骨誘起機構の詳細は不明であった。本研究ではCAの吸収に関わる多核巨細胞に関しCA埋入後2週間後と6ケ月後における細胞形態ならびに吸収過程の微細構造に差異を認めた。すなわち、CA埋入後2週間の試料で見られる多核巨細胞は、生理的骨吸収にみられる破骨細胞に類似し波状縁を有しているものが多くみられた。さらに波状縁に隣接するCAの形態は三日月状のものがみられ細胞外で脱灰されていることが示唆された。しかし6か月後では、偽足様細胞質突起を伸張させintactなCAを直接貪食する多核巨細胞が多く認められた。さらに、細胞内に取り込まれた後CAが脱灰されていることを示す組織像も観察された。光学顕微鏡によるTRAP陽性多核巨細胞の分布密度も術後2週間に比較し術後6か月では低くかった。同じCA塊に接して、CAを吸収する多核巨細胞に加えその表面に新たな骨を形成する骨芽細胞がみられた。CAを吸収する細胞には、これら多核巨細胞の他にマクロファージ様細胞や線維芽細胞様細胞も確認された。CAと新生骨境界面の微細構造:骨芽細胞はCAに隣接し、類骨基質を分泌し、直接CA上に骨が沈着した。しかしながら、CAと石灰化した新生骨の境界に幅100〜200nmほどの高電子密度帯が観察された。現在のところこの高電子密度帯の組織化学的性質は同定していないが、CAと骨の接着に関係した構造ではないかと類推している。
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