2007 Fiscal Year Annual Research Report
2つのプロトコールによる唇顎口蓋裂治療の中期成績の比較検討
Project/Area Number |
19592278
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三古谷 忠 Hokkaido University, 北海道大学病院, 准教授 (10181869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (00250465)
佐々木 了 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40301907)
西澤 典子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (10374266)
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / Hotz床 / 早期顎矯正 / 一期的口蓋形成術 / 二期的口蓋形成術 / 顎裂部骨移植 / 顎顔面発育 / 言語成績 |
Research Abstract |
【自的】二次的顎裂部骨移植においてオトガイ部の骨を移植する方法は、採取量が少なく小さい顎裂に限定した手法とされてきた。当科ではオトガイ部の皮質骨片で顎裂を囲むのみとし,低侵襲で比較的大きな顎裂に適応し,良好な結果が得られたので概要をまとめる。 【方法】永久歯の萌出誘導を目的とし,オトガイ部皮質骨片を用いた二次的顎裂部骨移植術を行い,術後6か月以上が経過した24症例を対象とした.骨移植年齢は5歳5か月から10歳1か月であった.術式はオトガイ部外側の皮質骨片を二枚採取し,両骨片に囲まれた空間には骨を充填せず,顎裂部の口蓋側と唇側に皮質骨表面が外側になるように置くのみとした.臨床所見および経時的に撮影した歯科用X線写真と6か月の時点のCTで,骨架橋形成の状態と顎裂に隣接した永久歯の骨移植部への萌出を評価した. 【成績】全例において,術後6か月のCTでは十分な骨架橋が形成され,顎裂に隣接した永久歯の移動が認められた.また,混合歯列後期の10例中9例において骨移植部への永久歯の萌出が認められた. 【結論】本法で良好な骨架橋形成と,永久歯の萌出誘導が可能であった.採骨量が限定されるオトガイ部でもほとんどの顎裂に適応でき,簡便かつ低侵襲な手術法であることから,有益な治療法と考えられる.
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