2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子多型を用いて口腔多発癌に有用な疾患感受性マーカーを探る
Project/Area Number |
19592286
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 一 Niigata University, 医歯学系, 助教 (60271805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10242439)
吉江 弘正 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143787)
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
|
Keywords | 口腔多発癌 / 疾患感受性遺伝子 / SNP解析 / 免疫グロブリン受容体 / サイトカイン |
Research Abstract |
【緒言】 口腔多発癌は、口腔癌の中でも女性に発症する頻度が高く、低悪性度で粘膜表在性癌の特徴を示すことが多いとされ、その発症に前癌病変の存在が危険因子として示唆されている。また、口腔多発癌は単発の浸潤癌とは臨床的な様相が異なることを多く経験しているが、これまでに臨床的あるいは病理学的に検討を行った報告はあるものの、発症の背景に関する分子遺伝学的検討はなされていない。今回私たちは、本疾患患者について、免疫関連遺伝子の多型解析を行ったので報告する。 【対象および方法】 新潟大学歯学部倫理委員会の審査と承認を受け、口腔多発癌患者27名、対照として口腔単発癌患者133名(いずれも扁平上皮癌)、健常者99名を対象とし、インフォームドコンセントを得た上で末梢血採血を行い、ゲノムDNAを抽出した。免疫グロブリン受容体5項目、サイトカイン8項目、蛋白分解酵素1項目の計14種類についてナノインベーダー法にてSNPを検出し、各遺伝子座について、遺伝子型頻度、アリル頻度、アリル保有率を解析後、カイ二乗検定にてp値、オッズ比(OR)、相対危険度(RR)を求めた。 【結果および考察】 IgA FcαRI(+56)において、健常者群に比べて多発癌群ではCアリルの頻度が有意に高く(p=0.0499、OR=1.8286、RR=1.5979)、Tアリルの非保有率も有意に高く(p=0.0171、OR=3.3684、RR=2.3712)、口腔多発癌における疾患感受性マーカーとなる可能性が示唆された。一方、MMP-1(-1607)において、遺伝子型頻度は全群で有意差が認められ(p=0.0056)、単発癌群は健常者群、多発癌群いずれに比しても有意差が認められた(p=0.0165, 0.0011)。アリル保有率では、2Gアリルの保有に関して全群で有意差を認め(p=0.0018)、単発癌群は健常者群、多発癌群いずれに比しても有意に高かった(p=0.0060, 0.0005、OR=3.4699, 6.3000、RR=1.9809, 3.6500)が、これらは癌の悪性度との関連による結果と考えられた。
|
Research Products
(2 results)