2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移植の適応拡大のため、凍結保存歯の歯根膜を有効に再生させる
Project/Area Number |
19592287
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉 直也 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (10361908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60303137)
小野 由起子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80345511)
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Keywords | 歯の移植 / 凍結保存 / 歯根膜 |
Research Abstract |
凍結保存歯はプログラムフリーザによる緩速凍結後に超低温ディープフリーザ(-152℃)に保存するため、操作が煩雑であり特別な施設を必要なことから汎用性に問題がある。歯の凍結保存がより簡便になれば凍結保存歯移植の適応拡大につながると思われる。そこで私達は、凍結操作や保存温度が凍結保存歯の歯周組織再生に及ぼす影響を明らかにする目的で、ラット臼歯を抜歯後、これを腹部皮下に即時に移植する群と凍結操作や保存温度を変えて4週間凍結保存して、解凍後に移植する群を作成し、組織学的に比較検討した。その結果、-80℃保存すれば歯周組織を再生させることが可能であり、プログラムフリーザによる緩速凍結を併用すればより有効であることが明らかになった。また、プログラムフリーザによる緩速凍結の併用の有無によらず、保存温度が-20℃では有効に歯周組織を再生させることは出来ないことが示唆された。 ここまでの研究成果より、凍結保存歯移植でも歯周組織は再生することは明らかになった。しかし再生過程の遅延が認められる。また、実際の臨床症例では凍結保存移植歯は、即時移植歯と比べ、緩慢な置換性歯根吸収が認められることが多い。これは凍結操作による歯根膜の損傷が原因であると考えられる。 凍結操作によって損傷された歯根膜を可能な限り再生させた後に移植することを目的に、上記の実験系を使って、凍結保存歯を解凍後すぐに移植せず、1週間器官培養した後、腹部皮下へ移植する実験群を作成した。現在資料と解析中である。今後、培養法を改良し、試料を組織学的に検索することで、凍結保存歯の器官培養の有効性および問題点を明らかにしていく予定である。
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