2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織の間葉系幹細胞を用いて組織工学的に作製した培養骨による顎骨再生をめざして
Project/Area Number |
19592288
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 由起子 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (80345511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303137)
泉 直也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10361908)
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Keywords | 脂肪 / 組織工学 / 再生医療 / 骨 / 培養 |
Research Abstract |
骨髄細胞を用いて培養骨を作製する場合、骨髄細胞はおもに腸骨から採取しなければならず、自家骨移植をする場合に骨を採取するよりは侵襲は少ないとはいえ、やはりある程度の侵襲を加えることになる。一方、脂肪組織のなかにも未分化な間葉系幹細胞が含まれており、培養条件によってさまざまな細胞に分化させることができ、骨芽細胞にも分化させることができるという報告がある。口腔内には頬脂肪体という容易に脂肪を採取できる組織があるので、脂肪組織から間葉系幹細胞を分離してそれを骨芽細胞に分化させることができれば、わずかな侵襲で容易に培養骨を作製することができる。 そこで、脂肪組織から間葉系幹細胞を分離し、それを骨芽細胞に分化させてβ-TCPなどの生体材料と組み合わせ、顎骨欠損部への移植に適した培養骨を作製することが本研究の目的である。 β-TCPを足場とし、分化誘導群として脂肪組織の間葉系幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導して作製した培養骨を、非誘導群として脂肪組織の間葉系幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導せずに作製した培養骨を、コントロール群としてβ-TCP単体をそれぞれラット背部皮下に移植し、経時的に屠殺して移植部を採取して標本を作製し、ヘマトキシリン-エオジン染色、アルカリフォスファターゼ染色、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ染色等をおこない、組織学的に観察して骨形成の程度を比較したところ、分化誘導郡では新生骨の形成が認められた。
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