2008 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化メカニズムに関与する免疫機能の分子生物学的解析
Project/Area Number |
19592294
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水川 展吉 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00263608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山近 英樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10294422)
高木 愼 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40116471)
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00158057)
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Keywords | 免疫学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
急速な高齢化社会への移行に伴い、加齢による骨粗鬆症の増加は患者のQOLを著しく低下させることから、骨粗鬆症は高齢化社会が抱える問題の一つである。申請者らは、これに対応するためには骨吸収のメカニズムを解析し骨吸収の抑制、骨破壊の防止・阻止をすることが重要であると考え研究を行ったところ以下のような成果を得た。 骨粗鬆症実験モデルマウスに対しDHNAの投与を行った結果、局所での骨代謝改善が確認された。DHNA投与を行ったマウスは、骨粗鬆症発症させたモデルと比較し大腿部骨組織の破壊・吸収の程度が軽減されていることが確認された。また同部の軟X線撮影を行ったが、DHNAを投与したマウスでは骨密度は骨粗籟症モデルより高いことが確認された。今回は骨代謝と関連性の高い臓器に注目したが、DHNA投与マウスは大腸組織の炎症程度は軽度にあり、血清より測定した腎機能(Cr・BUN)・血中カルシウム濃度の値も減少していた。同様に血清中から多種サイトカインの計測をおこなったが特に骨の炎症・破壊に関与するサイトカイン(IL-1β・IL-6・TNF-α)の値はDHNA投与したモデルで減少していることが確認された。マウスの骨髄由来の破骨細胞を培養したところ、DHNAを投与したマウスの破骨細胞は骨粗鬆症モデルより細胞数が減少し、分化の程度も低分化であった。これらの結果よりDHNAが骨粗鬆症改善作用を示すことが確認された。しかしDHNAの破骨細胞抑制機序については遺伝子あるいはタンパクレベルでの検討が必要であると判断した。今後は骨吸収を担う破骨細胞への直接的な作用について検討を行う予定である。
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Research Products
(11 results)