2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞の固定化サイトカインによる誘導および骨再生
Project/Area Number |
19592296
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山近 英樹 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10294422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70335628)
|
Keywords | 固定化 / BMP-2 / 成体幹細胞 / 骨再生 |
Research Abstract |
本研究は、骨髄幹細胞を用いた骨再生を目的とした研究で、動物実験において骨髄幹細胞を移植細胞とし、効率的に骨芽細胞、骨組織に分化させることを計画した研究である。 まず我々が従前から研究してきたサイトカイン固定化法を応用し、骨形成を促進するタンパクであるbone morphogenetic protein-2(BMP-2)をI型コラーゲンに固定化し、細胞発育の場が整備されることを検証した。具体的には培養細胞ST2, MC3T3-E1, C2C12を用いてこれに固定化BMP-2で骨系細胞への分化誘導を行った。骨系細胞への誘導シグナルはリン酸化Smadの発現で確認した。誘導を受けた細胞での骨系細胞への分化誘導はType I collagen,Osteop ontin, Osteocalcin, Alkailine phospataseのmRNAレベルで確認した。この結果固定化BMP-2は、非固定のBMP-2に比較して有意に骨誘導能が高いことが確認された。 一方移植細胞としての、幹細胞の採取はGFP陽性ラット骨髄から行った。骨髄細胞は採取後フラスコにて継代を重ね接着性細胞を増殖させた。こうして得られた細胞を幹細胞として上記固定化BMP-2にて骨系細胞への誘導を行った。誘導した幹細胞は、生体ゲルにベータリン酸三カルシウム(Beta-TCP)をまぜたものと混合しペレットを作成、SCIDマウス背部皮下へ移植した。6週の後SCIDマウス背部皮下から取り出されたペレットには、骨形成とGFP陽性の骨芽細胞が認められた。 これらの結果から、固定化BMP-2により骨髄由来の幹細胞が骨系細胞へ効率的に分化誘導され、生体への移植により骨芽細胞として骨形成に寄与することが確認された。
|
Research Products
(5 results)