2008 Fiscal Year Annual Research Report
多分化骨髄細胞移植法によるヒト顎骨再生の効率化および組織生物学的評価法の確立
Project/Area Number |
19592297
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植野 高章 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60252996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 あずみ 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40263587)
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Keywords | 骨再生 / 骨髄細胞 / 複合移植 / 骨関連細胞マーカー / 診断 |
Research Abstract |
骨にじる腫瘍や外傷などで喪失した骨欠損部の再生医療の基礎的、臨床的研先が活発に行われている。しかしながら実際の患者顎骨での再生骨の組織学的な骨質構造や骨形成関連蛋白の局在などの解明はほとんどなされていない。この研究課題では、平成19年度はラットの頭蓋骨欠損モデルを用いて骨髄からの骨再生モデルを用いて研究を行なった。摘出された組織切片を用いてそれぞれの骨形成過程のマーカーの評価を行なった。ラットの頭蓋骨の直径4mmの骨欠損を作製し移植材を充填した。手術後10から20日目にかけて細胞増殖マーカーPCNA、骨芽細胞分化マーカーRunx2,OPN、破骨細胞マーカーTRAPが明瞭に観察された。骨形成の不十分な組織では、これらの細胞増殖・分化マーカーは観察されなかった。また移植後の骨形成は骨形成関連マーカーが多く発現された群が最も多かった。以上の結果より、骨形成PCNA、Runx2、OPN、TRAPは移植後の早期の骨形成マーカーとなりうる可能性が示唆された。これらの結果をもとに平成20年度からは、実際のヒト再生顎骨におけるこれら骨形成関連マーカーの発現を観察した(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会承認)。また骨の形成量をマイクロCTによる三次元微細構造学的画像解析を行なった。その結果、手術6ヶ月後には再生骨部位は良好な形成骨を三次元画像にて認めた。これらを組織観察したところ、人工骨と取り囲むように新生骨が形成され、免疫染色にて新生骨周囲の骨芽細胞はRunx2、OPN、TRAP陽性細胞が観察された。そしてこれらの骨形成関連細胞数は、μCTで観察された形成骨量に関与する可能性が示唆された(U-test,P<0.01)。これらの結果から骨形成マーカーとしてRunx2、OPN、TRAP陽性細胞の発現はその後に形成される骨組織の形成量を診断するマーカーとなりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(20 results)