2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規多孔質セラミックスの骨形成発現メカニズムの細胞および遺伝子レベルでの解析
Project/Area Number |
19592299
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二宮 嘉昭 Hiroshima University, 病院, 助教 (60335685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
武知 正晃 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00304535)
瀧 雅行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00403551)
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Keywords | 多孔質セラミック / 骨芽細胞 / 遺伝子解析 / 焼結アパタイト / チタン |
Research Abstract |
現在、多孔質セラミックス(NEOBONE(R))に関する研究は極めて活発に行われている。しかし、そのほとんどは症例報告程度であり、NEOBONE(R)の性質改善を目指した基礎的研究においても、組織学的評価にとどまり、細胞を用いてNEOBONE(R)における優れた骨伝導性や骨形成における発現機構を解明しようとする研究は国内外でほとんどなされていない。したがって.NEOBONE(R)についての細胞生物学的、遺伝子解析による本研究は、今後、同研究領域に新たな研究分野を開拓するものと考えられる。まずヒト正常顎骨由来骨芽細胞の骨再生の評価として、作製した試料上にヒト正常顎骨由来骨芽細胞を播種し、培養後、実験を行った。その結果、NEOBONE(R)は、対照群として用いたチタン、焼結体アパタイトと比較して、細胞接着能、増殖能、アルカリフォスファターゼ活性、タイプIコラーゲン合成能およびオステオカルシン産生能において優れていた。次に、NEOBONE(R)と骨芽細胞の複合体を利用し異所性骨形成実験を行った。NEOBONE(R)と骨芽細胞を培養することによって試料を作製し、同系ラットの脛骨に移植した。その結果、経時的に新生骨量は増加し、移植後8週においては、試料全体において骨形成が認められた。以上の結果からNEOBONE(R)は、ヒト顎骨骨芽細胞の増殖、分化および石灰化を支持し、顎骨組織再生において有用な生体材料である可能性が明らかとなった。また、骨芽細胞の足場としてのscaffoldとしても有用であり、NEOBONE(R)と骨芽細胞複合体は生体親和性および骨伝導能を有し、骨組織の早期再生を促進することが明らかとなった。少量の自己の顎骨より培養した骨芽細胞とNEOBONE(R)の複合体の応用は、口腔外科領域において、従来の自家骨移植と比較して手術侵襲が少なく、有用な顎骨再建・増生材料となる可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)