2007 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨増生に対する骨補填材・骨成長因子に関するエビデンスを得るための臨床応用研究
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19592302
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西原 一秀 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60217875)
野添 悦郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (40208351)
田松 裕一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (80266569)
李 知午 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40404503)
松山 孝司 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40253900)
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Keywords | 人工骨骨補填材 / インプラント / 骨増生手術 / β-TCP製人工骨補填材 / HA-β-TCP製人工骨補填材 |
Research Abstract |
1)骨補填材を臨床応用するために鹿児島大学医学部・歯学部附属病院臨床研究倫理委員会に「口腔顎顔面領域の治療におけるβ-TCP製人工骨補填材の有効性の検討」(受付番号19-14)の研究項目を申請し、了承された。 2)本課題の臨床研究を以下の症例について検討した。 (1)歯科用インプラント治療に対する人工骨補填材の有用性を調べるために、インプラント埋入予定患者にβ-TCP製人工骨補填材(オスフェリオン(R))(以下、β-TCP製材)と自家骨を混和したものをインプラント埋入予定部位に充填し、骨増生を行った。さらに、骨採取部にもβ-TCP製材を充填して経過観察した。 初期の症例では、術後6か月で移植骨部位の骨は十分に成熟した骨が観察され、インプラントの埋入は可能であった。インプラント埋入時に同時にβ-TCP製材を移植し、GBRを行った症例では、インプラント周囲に充分な骨形成を認めた。骨採取部では表面粘膜は一部が壊死し、β-TCP製材の脱落を認めたため、β-TCP製材による口腔粘膜の影響を今後検討することとした。現在、症例を順次観察し、β-TCP製材の有効性を検討中である。 (2)下顎骨区域切除を行った症例の欠損部位に歯科用インプラントを埋入するために水酸アパタイト(HA)+リン酸三カルシウム製材(β-TCP製材)(セラタイト(R))を用いて骨増生手術を行った。移植後、局所感染、疼痛などの異常所見は認めなかった。レントゲン検査では骨補填材の吸収は認めなかったが、周囲の骨に吸収像を示したため現在、経過観察中である。今後、同部位にインプラント埋入予定である。 以上、今年度は臨床応用研究を行うための環境整備を行うとともに研究対象の症例を確保している。
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