2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫応答をマーカーとしたセンチネルリンパ節微少転移診断
Project/Area Number |
19592313
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大橋 勝 Showa University, 歯学部, 助教 (40317524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
伊東 大典 昭和大学, 歯学部, 講師 (40286844)
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Keywords | 悪性腫瘍 / 転移 / センチネルリンパ節 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の所属リンパ節転移の有無は、患者の生命予後に大きく関わっており、より正確な診断を得るためにFDG-PETやCT、MRI、それに抹消血中の各種腫瘍マーカーなどを重ねて評価しているが、いずれも擬陽性や過剰評価など、その正誤性に問題がある。また、これらの検査はすべて、癌がある程度の大きさにならないと転移を検出せず、早期のリンパ節転移、いわゆる微小転移を反映するものではない。 当科では上記検査にて臨床的に転移が明らかでない患者に対し、頸部センチネルリンパ節生検を行い、術中にリンパ節への癌細胞転移の有無を150μメートル間隔での準連続切片による迅速病理検査ならびに腫瘍細胞の検出を目的にSCC抗原をマーカーとしたRT-PCRによる遺伝子診断を行っている。しかしながら、リンパ節全層を術中に確認することはきわめて困難なため、病理組織診断の精度をあげても、初期微小転移を見逃す可能性もあると言わざるを得ない。センチネルリンパ節生検における微小転移診断に、サイトケラチンなどの腫瘍マーカーの発現をリアルタイムPCRなどで検索しているが、いずれも同じ理由から信愚性に欠ける。このように、微小転移を腫瘍細胞由来の遺伝子により検出するには限界があると考える。本研究では、微小転移の有無を腫瘍細胞由来ではなく、微小転移が成立した際のリンパ節の免疫応答由来の遺伝子変化での検出を検討する。すなわち、原発巣よりリンパ管を経由して転移した癌細胞が、所属リンパ節にたどり着いた時に起こる免疫応答の中から、腫瘍特異的な反応を見いだし、癌転移免疫応答マーカーを樹立したいと考える。
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