2007 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節内障に関連する病態因子のゲノミクスおよびプロテオミクス研究
Project/Area Number |
19592318
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 壽郎 Nihon University, 松戸歯学部, 教授 (70178416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10152448)
酒巻 裕之 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (70312048)
伊藤 耕 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20419758)
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Keywords | 顎関節内障 / IL-1β / TNF-α / microarray analysis / 顎関節滑膜細胞 |
Research Abstract |
顎関節内障患者の滑液中では炎症性サイトカインであるIL-1βやTNF-αが上昇していると報告されている。これらのサイトカインは顎関節部における炎症の発症および進行に関与していると考えられている。本研究では、培養ヒト顎関節滑膜細胞にIL-1βやTNF-α刺激を行った時に変動する遺伝子をoligonucleotide microarrayを用いて網羅的に解析することにより、これらのサイトカインが顎関節病態へどのように関与しているのか検討した。<方法>インフォームド・コンセントを行った3名の顎関節内障患者より得た滑膜細胞にIL-1β、TNF-α、IL-1β+TNF-α刺激を4時間行い、total RNAを抽出し、Affymetrix HG-Focus Arrayを用いて遺伝子発現を測定した。遺伝子発現解析はGeneSpringを用いて行った。<結果および考察>無刺激と比較して発現量が2倍以上上昇した遺伝子は、IL-1β刺激で214遺伝子、TMF-α刺激では214遺伝子、IL-1β+TNF-α刺激では273遺伝子であり、すべての刺激で共通して上昇した遺伝子は171遺伝子であった。IL-1β、TNF-α、IL-1β+TNF-α各刺激による発現上昇率上位20遺伝子を調べたところ、13遺伝子がすべての刺激で上位20位に含まれていた。この13遺伝子には顎関節疾患に関連の深いIL-6、IL-8、COX2遺伝子が認められた。これらの遺伝子発現はTNF-α刺激よりIL-1β刺激で高い傾向が認められ、IL-1β+TNF-α刺激では相加的な遺伝子発現上昇を認めら。よって、顎関節滑液中にIL-1βおよびTNF-αが共に存在した方が、単独で存在するよりも炎症状態が増幅される可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)