2009 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症の発症機序と病態の解明:破骨細胞に対する性ホルモンの影響
Project/Area Number |
19592323
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50329380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
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Keywords | 顎関節 / 滑液 / 滑膜 / ビスフェノール / マウス / 下顎頭 / 環境ホルモン / エストロゲン |
Research Abstract |
変形性顎関節症の発症機序を調べる目的で、エストロゲン様作用を持つビスフェノールA(BPA)を胎生期に投与し、マウス胎児下顎頭の発生に及ぼす影響を組織学的定量解析で評価した。ICR雌性妊娠マウスに対して12-16dpc(膣栓+:Odpc)に連日BPAを経口投与(BPA群:濃度0.2、2、20、2,000、200,000、500,000μg/kg。母獣は各3頭)、コントロール(CO群)としてコーン油(2.5ml/kg)も同様に投与した。出生1日目のマウス新生児各10-12匹を屠殺し、20μm厚のパラフィン切片を作製後にHE染色し、下顎頭の細胞数と体積をStereo Investigator(MBF社製)を用いて測定した。【結果】下顎頭の平均細胞数(×10^4個)はCO群が6.1、BPA群は0.2μg/kgで2.2、2μg/kgで1.5、20μg/kgで3.0、2000μg/kgで2.8、200,000μg/kgで2.6、500,000μg/kgで2.2であった。下顎頭の平均体積(×10^6cm^3)はCO群が17、BPA群は0.2μg/kgで4.2、2μg/kgで2.5、20μg/kgで9.5、2000μg/kgで8.5、200,000μg/kgで7.6、500,000μg/kgで6.0であった。このようにBPA群ではCO群に比べて2相性に下顎頭の発育低下を認め、特に低濃度で下顎頭の発育低下が顕著であった。【考察】BPA投与により下顎頭の発育低下をみたことから、マウスでは下顎頭の成長発育が胎生期においてすでにエストロゲンレセプターを介した性ホルモンの影響を受けていることが示唆された。
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