2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592327
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
片山 和男 Aichi Gakuin University, 心身科学部, 教授 (50194775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正彦 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (40378039)
杉山 成司 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (50150777)
佐藤 孝至 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00387573)
豊田 哲郎 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (10308786)
古川 博雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70291763)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 悩み相談 / 認識と対応 / カウンセリング / いじめ / 心理的な負担 / 心理的ケア |
Research Abstract |
(1)口唇口蓋裂児のいじめ問題と母親の養育行動を、愛知学院大学歯学部附属病院口唇口蓋裂センターに通院する学童期の患児を持つ母親で本研究の主旨を説明し同意の得られた母親を対象とし、質問紙調査、半構造化面接を行い、養育態度尺度を得点化し,SPSSファイルに変換し分散分析,T検定によって分析した結果、口唇口蓋裂児のいじめは他児より高い確率で起き,その内容は口唇口蓋裂児の身体的特徴についての言葉の暴力によるいじめが多かった。口唇口蓋裂児を持つ母親の養育態度の特徴として,受容的態度と統制的態度が併せ持つ、両価的な態度であった。今後の対応としては心理的ケアを含めた総合的な対応が望まれる結果となった。 (2)構音異常の代表的な音声サンプルを元に、一般人が口蓋裂患児の発話からどのような聴覚的な認識(印象)を得るのか調査した結果を、アルファ因子分析により因子数を抽出し、聴覚印象の因子解釈を行った。その結果2因子が抽出され、「魅力的」などの他者が人の性格を評価することに関連する「性格因子」と、「内向的」などの対人的な態度に関連する「対人的態度因子」と名付けた。また、因子分析の結果から印象評価に性別と年齢別の効果があるのかを調べるため各因子についてそれぞれ2要因の分散分析を行った結果、両者ともに有意差は認められなかった。今回の結果より、10項目では口蓋裂の言語障害の評価尺度としては不十分であることが明らかになった。今後は、第1因子と第11因子の尺度を同程度にした上で更なる調査研究を進めていきたい。 (3)その他、ホットラインには「病院(医師)紹介」から予後についての不安に及ぶ多様な相談が寄せられており、こうした多様なニーズに応える心理的ケアを含めた総合的な体制づくりの必要性が示された。
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