2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス遺伝子を指標とした新しい口腔癌診断システムの開発
Project/Area Number |
19592332
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏崎 晴彦 Hokkaido University, 北海道大学病院, 助教 (10344516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 淳一 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (50192703)
|
Keywords | 遺伝子 / 癌 / 歯学 |
Research Abstract |
われわれは発生過程において細胞に位置情報を与えるホメオボックス遺伝子群に注目し,その発現異常と癌化あるいは浸潤・転移との関連性を解析してきた.その結果,そのひとつのファミリーで形態形成のマスター因子として知られているHOX遺伝子群(39個のHOX遺伝子からなる)の発現パターンが,口腔扁平上皮癌および前癌病変である白板症などの異形性組織では異常であることを見い出した. 本研究の目的は,口腔癌において発現異常のみられたHOX遺伝子の発現ベクターを作製し,HOX遺伝子導入癌細胞の細胞生物学的性質を解析し,口腔癌におけるHOX遺伝子の役割を見い出し,これらを指標とした口腔癌およびその悪性度診断システムの構築を試みることである.今年度は下記の知見が得られた. 1.口腔癌で発現異常のみちれたHOX遺伝子の発現ベクターの作製 リンパ節転移のあった口腔癌組織でHOXC6の発現が高いことがわかった.そこでHOXC6がリンパ節転移に関与しているのかどうかを調べるためにTAクローニング法を用いてヒトHOXC6発現プラスミドベクターを作製した.HOXC6にはアイソフォームがあるので2種類のベクターを作った(アイソフォーム1と2). 2.HOX遺伝子導入癌細胞の細胞生物学的解析 口腔癌において発現異常のみられたHOXC6遺伝子の細胞生物学的性質を培養口腔癌細胞において調べた.ヒトHOXC6発現プラスミドベクター(アイソフォーム1と2)をHEK293細胞にトランスフェクションして各々のHOX蛋白を発現することをウエスタンブロットで確かめた. 現在,ヒト口腔扁平上皮癌細胞株にトランスフェクションして過剰発現亜株の樹立を行なっている.同時にHOXC6に対するsiRNAを用いてHOXC6のノックダウンも試みている.その後,転移・浸潤関連形質をHOXC6の発現の高低で比較検討する予定である.
|
Research Products
(2 results)