2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がんの微小リンパ節転移の検出-画像診断と分子生物学的転移マーカーのコラボレーションー
Project/Area Number |
19592333
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 貢伸 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50281829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80241321)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40399952)
北村 哲也 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 学術研究員 (00451451)
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Keywords | 口腔扁平上皮がん / 転移形質 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
腫瘍の転移は悪性腫瘍の治療においてその予後に影響する最も重要な因子であり、口腔悪性腫瘍の大部分を占める扁平上皮がんの治療にあたっても、転移の有無が予後と深く関わっている。口腔扁平上皮がんの転移の大部分は所属リンパ節である頸部リンパ節へのリンパ行性転移で、その治療にあたっては原発巣とともに転移したリンパ節の制御が必須であり、とくに現在画像診断的に検出が困難である径5mm以下の微小リンパ節転移の有無を術前に知ることが可能であればその意義は大きい。今回の検索は、口腔がんにおける転移形質に関与する遺伝子/遺伝子産物の同定を行うことを第一の目標としている。 ヒト口腔正常粘膜上皮、白板症、口腔がん組織より試料を採取し、直ちに液体窒素で凍結保存を行い、以後の実験に用いた。試料の一部よりRNAを抽出しDNAマイクロアレイにより網羅的解析を行ったところ、数十の発現亢進する遺伝子および発現が低下した遺伝子が認められた。次いで、ヒト口腔がん細胞株HSC2,HSC3,HSC4,Ca9.22,SASよりタンパクを抽出し、Western blotにより発現タンパクの解析を行った。その結果、口腔がん細胞株ではEGFレセプターの発現が顕著だった。さらに、PTH関連タンパク(PTHrP)の発現も亢進していた。 現在、ヒト口腔がん細胞株を用いて転移関連タンパクの発現を検索するとともに、これらの画像診断への応用を検討している。
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