2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌のための新しい細胞阻害剤と薬剤デリバリーシステムを用いた治療法の開発
Project/Area Number |
19592334
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森川 秀広 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (60302155)
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Keywords | 口腔癌 / ナノバブル / 超音波 / 細胞阻害剤 / 分子導入 / デリバリーシステム / 癌治療 / ナノメディシン |
Research Abstract |
本研究では、超音波照射によるナノバブルの破壊に伴う標的腫瘍の細胞膜の浸透圧変化により膜透過性が増大する細胞阻害剤をスクリーニングし、超音波とナノバブルを用いた分子導入に適した口腔癌の治療に有効な新しいドラッグデリバリー製剤の開発を行うことを目的とする。これまで我々は、様々な阻害剤の中からこれまでの文献等を参考にして、合計約200種類の阻害剤を選定し、これを98プレートに分与して、阻害剤プレートを作成した。さらに、腫瘍細胞を培養したプレート内で様々な条件下で超音波照射を行い、超音波照射した細胞を阻害剤プレートに播種し、細胞毒性をMTTアッセイで評価し、ナノバブルと超音波を用いたドラッグデリバリーシステムに応用可能と思われる阻害剤を選択した。その結果、このデリバリーシステムに有用と思われる細胞阻害剤として、3種類の阻害剤(プロテインキナーゼ関連阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、およびプトテインホスファターゼ阻害剤)を選択することができた。しかし、これらの細胞阻害剤を臨床応用するまでには、膨大な前臨床実験が必要である。そこで、平成20年度においては、ナノバブルと超音波を用いた分子導入法を用いた場合のこれらの細胞阻害と従来の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果や腫瘍標的性を効率的かつ精確に比較検討できる検証システムの開発を試みた。我々は、検証システムとして、ルシフェラーゼ発現腫瘍を用いてin vivo発光イメージングシステムを用いる検証システムとナノバブルを超音波造影剤として用いた高周波超音波三次元イメージングシステムを用いた検証システムの有効性を検討した。その結果、これらの検証システムを用いることにより、生体内での光学顕微鏡レベルの腫瘍微小血管構築画像をリアルタイムで構築することが可能となり、従来の抗腫瘍剤と上記細胞阻害剤との抗腫瘍効果や腫瘍標的性の比較検討が容易にかつ精確にできるようになった。
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Research Products
(12 results)