2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制を標的としたおとり遺伝子導入による癌遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
19592342
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蔵原 慎一 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 助教 (20304818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 満穂 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (00380626)
竹之下 康治 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (50117157)
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Keywords | 口腔癌 / 血管新生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
1)培養癌細胞を用いた実験による各種サイトカイン刺激や微小環境変化による血管新生因子群の発現亢進効果の検証 培養癌細胞における血管新生因子群の遺伝子発現の状況を生化学的に解析を行った.また,培養口腔扁平上皮癌細胞,唾液腺癌細胞を用いて,TNFαやEGFなどのサイトカインによる刺激や低酸素環境などによる培養環境の変化が血管内皮増殖因子(VEGF),トランスフォーミング増殖因子β1(TGFβ1),あるいは組織因子(TF)などの血管新生因子群の遺伝子発現を亢進していることを,Northern blotやRT-PCRにおいて確認した. 2)血管新生因子の産生に関与する転写因子の解明 実験に使用した培養癌細胞において,TNFα刺激および低酸素環境下での培養により,転写因子Sp1, AP-1あるいはHIF-1が経時的に活性化することを,バンドシフトアッセイにより確認した. 3)HVJ-リポソーム法による遺伝子導入条件の確立 HVJ-リポソーム法により,おとり遺伝子を100%の培養細胞に導入する条件を確立した.また,遺伝子導入により細胞障害が発生しないことを確認した. 4)おとり遺伝子導入による血管新生抑制効果の検討 Sp1やHIF-1のおとり遺伝子をHVJ-リポソーム法により培養癌細胞に遺伝子導入すると,TNFαや低酸素環境で促進されるVEGF, TGF β, TFの発現亢進を同時に抑制できることを解明した.
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