2008 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳時の下顎の動きは前後が主体である これは咀嚼運動においていつまで継続するか?
Project/Area Number |
19592357
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
早崎 治明 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60238095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晋也 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90514729)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
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Keywords | 小児 / 咀嚼運動 / 成長発育 |
Research Abstract |
歯列期の小児の咀嚼運動は、成人が側方への動きが主体であるのに対し特に前方向への運動が優位であるが、これは数多く報告がなされている哺乳時の舌の運動に伴う下顎の動きから継続していることが推察できる。またこれと関連して長期哺乳が下顎前突と関連があるとの報告もある。そこで本研究では、この小児の咀嚼運動に見られる優位な前後運動がいつ頃まで続くかを明らかにすることを目的とした。 咀嚼運動の計測を定量的におこない得る年齢はおよそ4歳以降であった。3歳以下では、個人間変動が大きいとともに、日間差、時間差、またそのときの情動変化により個人間変動が大きく変化することから、傾向はつかめるものの統計処理にふさわしい数値が必ずしも得られないと判断せざるを得なかった。4歳以降の小児を乳歯列期の小児とし、以後の変化を観察したところ6歳および12歳に咀嚼運動経路および範囲、角度等に関して統計的な有意な差が認められた。運動は総じてより平坦な運動からより下方への運動に変化していた。この2つの時期は第一大臼歯および第二大臼歯の萌出時期であり、ともにその時期の最後臼歯である。これらのことから小児の咀嚼運動は最後臼歯の萌出により顕著に変化すると考えられた。また、この時期には顆頭の形態にも大きな変化がうかがわれること、咀嚼運動の安定性が増すなどの報告があることから、これらの知見にかんしても今後検討が必要である。
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Research Products
(6 results)