2007 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂自然発症胎児マウスにおける口蓋裂発生機序の解明
Project/Area Number |
19592358
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 康成 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70332848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00228975)
田谷 雄二 日本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30197587)
星野 倫範 長崎大学, 歯学部・歯学部附属病院, 講師 (00359960)
釜崎 陽子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253678)
齋藤 幹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40380852)
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Keywords | CL / Fr / 自然発症口唇口蓋裂 / 口蓋棚 / 細胞増殖 / mRNA |
Research Abstract |
本研究目的である口唇口蓋裂発症における口蓋棚の成長の関与を明らかにするために、口唇口蓋裂自然発症系統のCL/Frマウスから産生した、口蓋棚挙上期(胎生13.5日齢)の口唇裂罹患胎児、正常胎児および、対象群として同日齢の口唇口蓋裂感受性のC57BL胎児において、口蓋棚間葉細胞のin vitroにおける細胞増殖を測定した。培養期間4日および7日を通じて、CL/Fr系統の罹患胎児および正常胎児は、C57BLと比較して、口蓋棚間葉細胞の増殖能は有意に小さく、左右の口蓋棚の比較では、CL/Fr系統では、左側の口蓋棚が、右側と比較して増殖能が大きい傾向がみられた。特に、CL/Fr正常胎児の7日齢においては、左側が右側と比較して有意に大きかった。以上の結果から、CL/Fr系統における口蓋裂の発症に、この系統の特徴的な口蓋棚間葉細胞の増殖能低下や左右差が関与していることが示唆された。また、mRNAのスクリーニング解析により、CL/Fr系統での口蓋裂発症に関連して、間葉細胞での増殖の制御に関わる分子の存在が明らかになった。そこで、口唇裂に引き続き発生する口蓋裂の発症に関わる分子パスウエイについて明らかにするため、まず、CL/Frの罹患胎児および正常胎児の口蓋棚のmRNAをマイクロアレイにより比較した。結果は、罹患胎児の方の発現量が1/2以下に小さい131遺伝子および2倍以上に多い112遺伝子の存在が明らかになった。このようなレベルでの発現差は、口唇口蓋裂罹患の有無を考えると、極めて小さいものであり、日本人に多い非症候性の口唇口蓋裂が、誰にでも起こり得るありふれた疾患であることを裏付けるものであった。現在、遺伝子リストからgene oncology解析およびpathway解析により候補遺伝子をしぼっており、今後、遺伝子発現の違いと、その分子の口蓋裂発症への関与を明らかにする予定である。
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Research Products
(4 results)