2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592362
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 正良 Nara Medical University, 医学部, 講師 (20244717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 歯学 / 発生・分化 / chick embryo / L3 / Lhx8 / siRNA / retinoic acid |
Research Abstract |
顎顔面は複雑な構造体であり、その形成パターンはいまだ不明な点が多い。顎顔面の形成パターンを解明することは、先天異常を理解するうえで重要である。われわれは、これまでLIM homeobox遺伝子のうちL3/Lhx8が、顔面突起が癒合する時期に強く発現し、上皮性因子Fgf-8bやTgf-b3によって発現誘導されることを明らかにした。本研究では、発生初期のChick embryoを用いて、L3/Lhx8遺伝子を抑制するL3/Lhx8-siRNA組み込み用ベクターを作成した。頭部の形成が始まるstage10HH(Hamburger & Hamilton's stage)のembryoの頭部神経管内に、マイクロピペットを用いて注入しelectroporationによりL3/Lhx8-siRNA遺伝子導入を行った。蛍光色素DiIを用いた予備実験では、マイクロインジェクションにより神経管内に注入されていることが確認された。現在、遺伝子導入後のembryoを摘出し、顔面発生初期におけるL3/Lhx8やMsx2などの遺伝子発現を解析している。また、retinoic acid(RA)は、口唇裂口蓋裂の誘発物質として知られているが、chick embryoの顔面突起にRAを投与すると著明な上顎劣成長が起こり、上顎に裂を生じる。このとき顔面突起に発現するL3/Lhx8がdownregulateされることも明らかとなった。このことから口唇裂発症のメカニズムとしてRAはL3/Lhx8の発現を阻害することが示唆された。
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