2007 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム解析を糸口とした下顎前突症の感受性遺伝子の探索と機能解析
Project/Area Number |
19592366
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 徹太郎 Showa University, 歯学部, 講師 (40384193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 東海大学, 医学部, 教授 (00192500)
槙 宏太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (80219295)
綿引 淳一 昭和大学, 歯学部, 研究生 (60384351)
宮本 朝望 昭和大学, 歯学部, 助教 (20384349)
渡辺 みゆき 昭和大学, 歯学部, 助教 (30407572)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 下顎前突症 |
Research Abstract |
著しい下顎前突症は外科的矯正治療をも必要となり、この咀囑機能障害による患者の身体的・心理的負担は大きい。すなわち下顎前突症の病態の理解、発症リスクの危険予測あるいは予防法の確立は患者のQOL向上に大きく寄与することができる。一方、頭蓋顎顔面形態は強い遺伝性が関与していることが明らかとなっている。さらに下顎前突症はその強い遺伝性から逡伝統計学的手法による感受性遺伝子の同定が可能である。本申請課題研究代表者らは下顎前突症の感受性遺伝子を全染色体上について網羅的に探索した。その結果、第一染色体上に下顎前突症と連鎖を示す領域があることを発見した。これを糸口として現在、候補遺伝子についてのSNPs(Single Nucleotide Polymorphisms)解析を進め、統計学的に有意な相関を認める複数のSNPsを確認している。これは関連解析によるものであるが、このような関連は下顎前突症とひとつの遺伝統計学的手法により有意な相関を得た、ということにすぎない。この遺伝統計学的手法による結果の解釈には階層化の問題など、十分な検討(擬陽性をいかに排除するか)が必要である。すなわち、真に下顎前突症の発症に関与しているかどうかは、より高度な遺伝統計学的手法が必要である。したがって候補領域のSNPsの連鎖不平衡地図(linkage disequilibrium mapping;LDmapping)と患者-対照研究により、感受性遺伝子の絞り込みを行っている。これと併行して患者-対照研究において、目的とする染色体座位や遺伝子周囲のSNPを調べるだけでなく、ゲノム全体のSNPも検討することによって、民族性などの階層化の補正を可能とする系の準備を進めている。
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