2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592368
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
前田 隆秀 Nihon University, 松戸歯学部, 教授 (70130599)
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Keywords | 咬耗 / 近交系マウス |
Research Abstract |
近年、歯の咬耗による顎機能に異常を訴える患者が増加している。咬耗の発現は近代社会から受けるストレスによるといわれているが明らかでない。研究代表者らは、近交系マウス間で同一環境下での飼育環境において、摩耗の発現に明らかな差異があることを見出した。そこで、咬耗抵抗性マウスであるC57BL/6マウスの雌個体に、咬耗高感受性マウスであるC3Hマウスの雄個体を交配させ、F1マウス個体を得た。このF1世代のマウス同士を交配させ、F2世代のマウスを得て、DNAを肝臓より抽出した。得られたF2マウス17匹の咬耗の程度をμCT画像から評価した。本研究では咬耗に関与する主要遺伝子の存在する染色体の特定を目的として、染色体1から19番染色体についてDNApoolPCR法からinterval mappingを試みた。17匹のマウスのうち、咬耗の程度が多かったマウス4匹をHighスコア群とし、咬耗の程度が少なかったマウス4匹をLowスコア群とした。各群のDNAをプールし、C57BL/6とC3Hマウス間において多型を有する系98個のMIT(Massachusetts Institute of Technology)ブライマーを用いてPCRで増幅し、電気泳動後、エチジウムブロマイド染色し、遺伝子型を検出した。D4Mit13およびD13Mit9においてHighスコア群では遺伝子型のC3Hホモ型タイプが多く、Lowスコア群ではC57BL/6ホモ型タイプが多くなる傾向が見られた。つまり、マウス4番および13番が候補染色体で、4番染色体の71cMおよび13番染色体の26cM付近に咬耗に関与する候補遺伝子が存在する可能性が示唆された。
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