2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592368
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
前田 隆秀 Nihon University, 松戸歯学部, 教授 (70130599)
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Keywords | 咬耗 / 原因遺伝子 / 近交系マウス / pool DNA / 連鎖解析 / mapping / 下顎角 |
Research Abstract |
咬耗は,上下の歯の直接的な接触および食物などを介した間接的な接触によって生じると考えられる。咬耗を生じるにあたって、宿主側の感受性が起因すると思われる。その因子を解明するには、遺伝要因と環境要因の解明が必須である。先に我々はマウス臼歯の咬耗度に感受性の違いがある2系統を明らかにした。そこで、本研究では、遺伝要因として連鎖解析による染色体地図の作成と環境要因としてマウスエナメル質への酸性飲料水の影響ならびに咬合力と関与が認められている下顎角の角度を決定する候補遺伝子について検討した。 遺伝要因の解明にあたっては、近交系マウスを粉状高脂食下にて飼育し咬耗について検討した結果,C3H系統マウスが咬耗高感受性マウス,C57BL/6系統が咬耗低感受性マウスであり,これらを親系統とした交配実験により得られたF2マウスを用いて、咬耗に関与する主要遺伝子の存在する染色体の特定を目的とし、DNA pool PCR法からinterval mappingを試みたところマウス4番染色体の71cM付近および第13番染色体の26cM付近に咬耗に関する候補遺伝子が存在する可能性を示唆した(K Ogawai, T Maeda : Linkage analysis of tooth attrition using pool DNA in inbred mice : PDJ, 20 : in print 2010)。また、pH5.3のイオン飲料で重度な咬耗をin vivoで明らかにし、咬耗と飲料水の酸性度が大きく関わることを明らかにした。さらに咬耗が多いマウスにおいて咬耗が少ないマウスに比べて下顎角が有意に小さいことが得られた。また低栄養マウスのF2マウスにおいて下顎角が高栄養マウスより有意に大きいことを明らかにし、下顎角が成長ならびに咬合圧に関与し、咬耗解明に寄与できた。
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Research Products
(4 results)