2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子レベルにおけるセメント芽細胞分化制御解析と歯周組織再生への応用
Project/Area Number |
19592381
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野口 和行 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90218298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50396967)
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Keywords | 歯根膜細胞 / セメント芽細胞 / PGE_2 / VEGF / 石灰化 / エムドゲインゲル / PI-3キナーゼ |
Research Abstract |
本年度は、ヒト歯根膜細胞およびマウスセメント芽細胞を用いてその細胞の機能解析を中心に行った。ヒト歯根膜細胞にプロスタグランジンE_2(PGE_2)を添加したところ、有意な血管細胞増殖因子(VEGF)の産生が生じた。その産生は濃度・時間依存性であり、炎症性サイトカイン刺激によって産生されるレベルであった。PGE_2によるVEGF産生のメカニズムはEP2レセプターを介したものであった。興味あることに、一般的にEP2レセプターはcAMPが細胞内セカンドメッセンジャーであるが、cAMP刺激によってはVEGF産生が誘導されなかった。EP2レセプターのシグナリングを種々のキナーゼ阻害剤を用いて解析したところ、PI-3キナーゼ阻害剤により有意に抑制され、EP2レセプターの新規のシグナリング経路が存在する可能性が示唆された。またヒト歯根膜細胞におけるエムドゲインゲルによるVEGF産生への影響を調べたところ、エムドゲインゲル刺激によって有意なVEGF産生が認められた。現在そのメカニズムを解析中である。 マウスセメント芽細胞の石灰化へのPGE_2の影響を検討したところ、PGE_2によって石灰化が抑制された。その抑制はEP4レセプターを介したものであり、alkaline phosphatase活性の抑制、osteocalcinの発現抑制が生じた。その抑制機構としてcAMP経路が考えられる。また、matrix metalloproteinase-13の産生亢進が認められ、PGE_2は石灰化抑制に作用していると考えられる。すでにEP1レセプターの活性化が石灰化亢進を誘導するとの報告があったが、確認されなかった。
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Research Products
(3 results)