2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎感受性に関与するFcレセプター遺伝子と情報発現制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
19592383
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 Niigata University, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
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Keywords | 歯周炎 / 感受性 / Fcレセプター / リスク遺伝子 / 機能解析 / プロテオーム解析 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周病感受性に関与するリスクFcレセプター遺伝子の特定と同遺伝子情報の発現制御メカニズムを解析することであり、本年度は機能解析およびプロテオーム解析を実施した。 1 リスク遺伝子と機能解析:インフォームド・コンセントが得られた関節リウマチを伴う歯周病患者88名および歯周病患者22名の血清中の炎症性サイトカイン濃度測定を行った。その結果、Fcレセプター遺伝子(IIA,IIB,IIIA)の遺伝子型分布に有意差はなく、インターロイキン1-B(IL-1B)+3954のみに有意差が認められた。また、RA活動度と血清中のインターロイキン6、腫瘍壊死因子、ならびに歯周ポケット内炎症レベルとの間に有意な関連が認められた。以上から、これら2種のサイトカインは歯周炎と関節リウマチの共通リスク因子で、早期発見の生物学的指標になりうる可能性が示唆された。 2 プロテオーム解析:インフォームド・コンセントが得られた健常者10名の好中球を対象に、歯周病原細菌に対する抗体の刺激で誘導されるタンパク発現についてFcレセプターIIIb遺伝子型(NA1,NA2)ごとに調べた。その結果、統計学的に有意に容積の異なるタンパクが計6スポット検出された。これらを同定したところ、NA1タイプでは好中球機能に関わるタンパクが強く発現し,NA2タイプでは関節リウマチの病原因子で自己免疫応答に関与すると考えられるシトルリン化変換酵素タンパクの発現亢進が見られた。以上から、FcレセプターIIIb-NA2遺伝子保有者は、そのコードタンパクにより自己免疫応答が誘発され歯周炎感受性が高まった可能性が示唆された。更に、同NA2遺伝子は歯周炎と関節リウマチの共通リスク因子である可能性が示唆された。
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