2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592385
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉田 典子 Niigata University, 医歯学系, 助教 (30313547)
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Keywords | 歯周病 / 産科学 / ゲノム / 遺伝子型 / サイトカイン |
Research Abstract |
近年、妊婦の歯周病と低体重児早産あるいは妊娠高血圧とが関連性を示すという報告が多数挙がっているが、否定的な報告もある。本研究では、日本人妊婦における歯周病と早産の関連を調べ、さらに、同対象者において免疫に関連する多種の遺伝子型を決定し、それらと早産と歯周病との関連性を解析した。 対象は新潟大学医歯学総合病院に来院し出産した日本人妊婦のうち、本研究について文書による同意を得た者のみとした。産婦人科の各担当医の協力のもとに遺伝子型決定のための採血を行い、分娩後5日以内に歯周組織検査および歯周病原細菌検査を行った。 その結果早産群と正期産群の比較において歯周炎の有無と程度に差は認められなかった。また、早産と臨床パラメーター、歯周病原細菌の存在、22種の遺伝子型との関連性をカイ2乗検定で解析した結果、妊婦の年齢が比較的若い場合(33歳未満)以外には単独で早産に関連性を示した因子は認められなかった。しかし多重ロジスティック回帰分析を行った結果有意な適合性を有するモデルが得られ、妊婦年齢、IL-6(-572)G/C遺伝子型、FcαR(+56)T/C遺伝子型、Aggregatibacter actinomycetemcomitansの数が早産と関連性を示した。この成果は国際歯科研究学会ヨーロッパ部会(英国ロンドン)で発表した他、論文投稿中である。 一方、同対象者において脂質代謝とサイトカイン制御に関わる遺伝子型PPARγPro12Alaは早産との関連性は示さなかったが、歯周炎の各種パラメーターと有為な関連性を示した。この成果は春季日本歯周病学会(四日市)にて発表した。
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Research Products
(3 results)