2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生治癒促進のための注入型キャリアに関する研究
Project/Area Number |
19592393
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 松男 Showa University, 歯学部, 教授 (50332896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 講師 (70267540)
吉元 剛彦 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60419653)
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 助教 (60317576)
臼井 通彦 昭和大学, 歯学部, 助教 (10453630)
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Keywords | 生体材料 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
平成19年度は、リコンビナント・ヒト型ロラーゲンゲル注入部位内での細胞の移動、増殖、分化、血管薪生過程に対して、特に動物組織内での解析を中心に研究を推進した。その際、特に細胞外マトリックスによる細胞機能制御機構の解析に重点をおいた。 硬組織の誘導形成について、注入後経時的に(3日後、1週間後、2週間後)マイクロCT(ScanXmate-E080)で解析を行ったところ、3日後および1週間後には、注入部位及び対照群ともに骨の誘導を認めなかったが、2週間後においては明瞭な骨様不透過像の形成を認めた。 組織学的な所見より、注入後3日後においては細胞様構造物が疎な部位が認められ注入したコラーゲンゲルの残留がうかがわれるものの、1週間後には線維芽細胞様細胞の存在が認められ、かつ活発な細胞増殖を示す抗PCNA抗原陽性細胞の増加が顕著であった。形成された骨様硬組織は多くの場合既存の頭蓋骨に連続していた。新生骨および既存骨ともに抗I型・II型コラーゲン染色に陽性であったが、抗オステオカルシン染色を行ったところ新生骨骨髄腔壁ではオステオカルシン陽性細胞が多数確認されたが、既存骨骨髄腔壁には認められなかった。新生骨においては活発な骨形成のための細胞外マトリックス産生が行われているものと推察された。新生骨付近においては管腔構造物が確認され、血管新生を想像させる。血管因子の解析に着手した(継続中)。また、骨膜付近の細胞において特に強いH型コラーゲンの発現が認められた。また一部軟骨細胞様構造を認めたため、軟骨細胞のレギュレトリー転写因子であるSoxの検出に着手した(継続中)。 一方、細胞培養系において血管因子の発現を解析した。マウス頭蓋より分離した線維芽細胞をGDF5で刺激することにより、血管成長因子であるVEGFの産生が上昇する結果を得た。現在、刺激条件(濃度条件)や発現時間等の解析を進めている。
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