2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生治癒促進のための注入型キャリアに関する研究
Project/Area Number |
19592393
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 松男 Showa University, 歯学部, 教授 (50332896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 通彦 昭和大学, 歯学部, 助教 (10453630)
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 助教 (60317576)
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 講師 (70267540)
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Keywords | 生体材料 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 生体機能 |
Research Abstract |
平成20年度は、リコンビナント・ヒト型コラーゲンゲル注入部位内での細胞の移動、増殖、分化、血管新生過程に対して、特に動物組織内での血管新生を伴う骨化機構の解析を中心に研究を推進した。 硬組織の誘導形成について、注入後経時的に(3日後、1週間後、2週間後)マイクロCT(ScanXmate-E080)で解析を行ったところ、3日後および1週間後には、注入部位及び対照群ともに骨の誘導を認めなかったが、2週間後においては明瞭な骨様不透過像の形成を認めた。 組織学的な所見より、1週間後には線維芽細胞様細胞の存在が認められ、形成された骨様硬組織は多くの場合既存の頭蓋骨に連続していた。しかし、ヘマトキシリン・エオジン染色およびアルシアンブルー染色によって新生骨と既存骨の境は明瞭であることが明らかであった。新生骨では抗I型・II型コラーゲン染色に陽性であり、軟骨細胞様分化に必須の転写因子であるSox-9に対する免疫染色を行ったところ、新生された骨様構造物において抗Sox-9抗体陽性細胞が多数確認された。一方、新生骨付近においては管腔構造物が確認され、血管新生を想像させる。一般的には軟骨が骨に置換される過程では血管侵入を伴うが、新生骨様構造物の中心部分では血管マーカーであるVon Willebrand Factor(VWF)に対して免疫組織学的に陽性である細胞からなる管腔構造が認められた。 一方、細胞培養系において血管因子の発規を解析したところ、マウス頭蓋より分離した線維芽細胞をGDF5で刺激することにより、血管成長因子であるVEGFの産生が上昇する結果を得た。48時間刺激の条件下で、無刺激に対して約2倍のVEGF産生が確認された。
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