2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌ゲノム解析に基づく免疫療法用標的分子の探索
Project/Area Number |
19592394
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴田 恭子 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (90133438)
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Keywords | 歯周病 / 治療開発 / ゲノミクス / プロテオミク / トランスクリプトミクス / GeneChip / 標的分子 |
Research Abstract |
日本人のための歯周病治療/予防を目的とした免疫療法の開発を目指し、日本人の進行性歯周炎患者に多く分離されるII型P.gingivalisについて、その病原性を明らかにし、日本人歯周病撲滅へ向けて免疫療法開発のための新規標的分子の探索を目的とする。 II型P.gingivalisのゲノム情報と、W83P.gingivalis(IV型)ゲノム情報を比較することによって、II型P.gingivalisの病原性因子を探索した。TDC60 2001遺伝子中、約半数の54%に完全な相同性が見られるものの、15%がTDC60にのみ存在する遺伝子であった。また、トランスポゾン、ABCトランスポーターの出現で遺伝子組み替えが起きている可能性が見いだされた。二次元電気泳動によって展開されたタンパク質スポット(pH 4-7で600近くのスポットを検出する)について、TOF-MSにて同定解析を行った結果、119のタンパク質スポットに違いが認められたが、多くはTDC60,W83双方に存在する遺伝子であった。しかしながら、両株間では、それぞれの遺伝子発現に大きな違いがあることが示された。一方、TDC60菌体成分、培養液中への分泌物をマウスに免疫し、網羅的モノクローナル抗体作製を行い、446クローンを得た。Western-blotの結果は、より抗原性の高い分子に対する抗体が多く作製されている結果を示していた。特にLPS,HAなどに対する数種のモノクローナル抗体を得ている。70 kDaのRDC60にのみ存在するタンパク質分子に対する強い抗体作製クローンの作製に成功している。この抗体認識分子のクローニングを行っている。
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