2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌ゲノム解析に基づく免疫療法用標的分子の探索
Project/Area Number |
19592394
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴田 恭子 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (90133438)
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Keywords | 歯周病 / 治療開発 / ゲノミクス / プロテオミク / トランスクリプトミクス / GeneChip / 標的分子 |
Research Abstract |
歯周病原菌であるP. gingivalisは、線毛(FimA)の型によりI-V型に分類されている。日本人の進行性歯周炎患者のほとんどに存在しているP. gingivalisはII型P. gingivalisであることから、H型P. gingivalisのゲノムプロジェクトに着手している。終了してはいないがドラフトで得られたゲノム情報と、米国(TIGR/Forsyth Dental Center)でゲノム解析の終了しているW83 P. gingivalis (IV型)、或いは長崎大学歯学部でゲノム解析の終了しているATCC33277、P. gingivalis (I型)のゲノム情報を比較することによって、II型P. gingivalisの病原性因子を探索した。TDC60株には、他のP. gingivalis (W83, ATCC33277)には存在せず、むしろ他の菌種に対するホモロジーが30-50%の遺伝子が多く存在することを見いだしている。また、昨年度作製した網羅的モノクローナル抗体がTDC60に対して特異的に認識する分子の解明を試みたところ、本分子は、P. gingivalis各株で患者血清が強く認識し、過去、immunoantigenと総称される分子(菌株によって分子量は異なる)であることが判明した。マイナー線毛とも呼ばれる本分子の抗原性の高さから、本分子の新たな機能解明を試みている。一方、従来から本研究室で機能解明を試みているHBP35分子の欠損株のアレイ解析から、本分子の欠損株にはレドックスに関連した遺伝子の変動が見られることから、嫌気性菌の酸素抵抗性に何らかの変動が起きている事が示唆された。本分子がチオレドキシンとしての機能分子であることを本年度に報告している。
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