2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592395
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大島 光宏 Nihon University, 歯学部, 講師 (30194145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 洋子 日本大学, 歯学部, 助手 (00239922)
大塚 吉兵衛 日本大学, 歯学部, 教授 (50059995)
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Keywords | 血小板由来成長因子 / 歯周炎の病因 / 肝細胞増殖因子 |
Research Abstract |
最初にPDGF-Bを強制発現させたsis-NIH3T3細胞を用いて,モデル系を作成した。この細胞の培養上清に対する株化歯肉上皮細胞の走化活性を,改良ボイデンチャンバー法で調べた結果,wt-NIH3T3細胞の上清と比較して10倍高い走化活性を誘導した。培養上清中のHGF量を定量したところ,sis細胞では10ng/mlのHGFが検出されwtでは検出されなかったことから,sis細胞による上皮細胞の走化性誘導には,HGFが関与することが示唆された。 初代培養したヒト歯肉上皮細胞のPDGFアイソフォームの発現を調べた結果,PDGF-A,-B,-C,-Dおよびc-metのmRNAを発現していたが,HGF,PDGFRα,Rβの発現はみられなかった。またこの細胞はPDGF-AAを分泌していたが,PDGF-BBは分泌していなかった。歯根膜線維芽細胞は,PDGF-A,-C,-D,PDGFRα,RβおよびHGFのmRNAを発現していた。歯根膜線維細胞をPDGF-BB刺激した後のHGF産生量は,コントロールに比べて約3倍上昇した。 以上のことから,ヒト歯肉上皮細胞にはPDGF産生能があり,PDGF刺激によってヒト歯根膜線維芽細胞のHGF産生が促進されたことを考え併せると,PDGFシグナリングは歯周組織の再生促進ばかりでなく,歯周炎における上皮の深行増殖にも関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)