2007 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部CRF遺伝子発現を指標とした口腔・顎顔面領域における慢性痛発生機序の解明
Project/Area Number |
19592401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 憲明 Tohoku University, 東北大学病院, 講師 (70250800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 是明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (30361158)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60225274)
菅原 由美子 東北大学, 病院, 助教 (30235866)
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Keywords | 痛みストレス / 視床下部-下垂体-副腎系(HPA axis) / 慢性痛 / ACTH / corticosterone / カプサイシン |
Research Abstract |
近年、生体のストレス応答である視床下部-下垂体-副腎系[hypothalamic-pituitary-adrenocortical(HPA)axis]を介し、慢性痛による痛み感作が惹起した場合、心理的刺激によって痛みが誘発されることが報告された。すなわち、侵害刺激の繰り返しの入力により末梢および中枢が感作され、このストレッサーが、HPA axisを介し、ホルモン系、自律神経系、免疫系との相互関係を経て、最終的には大脳辺縁系一前頭葉系に影響を与える。これらの系が感作されると心理的刺激によっても痛みの感覚および感情が誘発される。したがって、顎顔面領域の慢性痛疾患に対する診断および治療を確立するためには、三叉神経伝導系{三叉神経節一延髄(三叉神経脊髄路核)-視床(後内腹側核)}の変化のみならず、痛みによって惹起されるストレス反応の程度を知ることが重要である。 平成19年度は、痛みストレスがHPA axisに及ぼす影響について明らかにすることを目的とし、舌のカプサイシン注射により痛みストレスを負荷したラットモデル(急性痛モデル)を用い、血漿中ACTHとcorticosterone量についてsham群と比較検討した。方法として、舌のカプサイシン注射30分後に採血(0.3ml)し、氷の中に放置後、さらに4℃、3000rpmで5〜10min遠心し、血漿成分を採取した。その後、血漿中ACTHおよびcorticosterone量をEIA法にて定量した。 その結果、舌カプサイシン刺激後30分で血漿中ACTHに統計学的有意差がみられたが、corticosteroneには有意差がみられなかった。
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Research Products
(4 results)