2009 Fiscal Year Annual Research Report
学童に対するリスク診断に基づく歯肉炎予防管理プログラムの構築
Project/Area Number |
19592402
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐久間 汐子 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (00018756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50201033)
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Keywords | 歯肉炎 / 学校歯科保健 / スクリーニング指標 / 歯科保健教育・指導 / 自己管理スキル / 質問紙調査 |
Research Abstract |
実施経過 ・4月,口腔診査および歯科保健に関する質問紙調査(H21年度6年生80名) ・9月,第9回国際予防歯科学会(プーケット・タイ)にて発表 ・11月,口腔診査および歯科保健に関する質問紙調査(追跡調査終了) ・12月~3月 2学年分(H19,20年度の5年生)の追跡データを統合して解析 結果および考察 視聴覚教材の視聴に加え、クラス別の保健指導-対照(C)、ハイリスク児のみ対象(HR)、クラス全員を対象(A)一の実施2ヵ月後、10ヵ月後の歯肉所見、知識の習得、保健行動の改善状況について評価した。 歯肉所見;PBI≧1の部位数およびPD≧3mmの部位数のクラス別比較では、2ヵ月後は両指標ともにクラス間に有意差を認めなかったが、10ヵ月後ではPBI≧1の部位数にクラス間で有意な差が認められ、HR群で低い値を示した。また、10ヵ月後、C群、A群ともに初診に比べPBI≧1、PD≧3mmの部位数ともに有意な増加を認めたのに対し、HR群ではPBI≧1の部位数に有意な改善を認めた。 保健行動・知識の習得;フロスの週1回以上の使用習慣は、全クラスで2ヵ月後良好な行動へと改善がみられたが、10ヵ月後も良好な習慣を維持していたのはHR群であった。歯肉炎を識別できると回答した児童は、全クラスで有意に増加した。さらにHR群では歯みがきの有効性を認識している児童の有意な増加が認められた。 歯肉所見および保健行動の改善、歯科保健知識の習得において、HR群で他の2群に比べ良好な結果が示された。リスク児を選別して自覚を促したことでモチベーションが高まったのではないかと推察した。また、自己管理スキルの低いA群で行動面での改善が低い傾向にあり、一方、スキルの高いC群ではHR群と回答がほぼ同じ分布であったことから、自己管理スキルに関する評価は、保健指導を行う上でリスク児選別の有用な指標であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)