2008 Fiscal Year Annual Research Report
口臭原因物質である短鎖揮発性脂肪酸が歯周炎に及ぼす影響についての基礎的研究
Project/Area Number |
19592411
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
安井 利一 Meikai University, 歯学部, 教授 (20146252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 准教授 (70236454)
清水 良昭 明海大学, 歯学部, 准教授 (90206219)
松本 勝 明海大学, 歯学部, 准教授 (00209652)
高野 安紀子 明海大学, 歯学部, 助教 (20337504)
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Keywords | 口臭原因物質 / 揮発性脂肪酸 / 酪産(ブチル酸) / アポトーシス / マクロファージ / 炎症 / 歯周炎予防 |
Research Abstract |
幾つかの口臭原因物質が、生物活性を有していることが明らかにされている。実際、私供は、口臭原因物質メチルメルカプタンが、マクロファージに対して、様々な生物活性を有している可能性を示している。また、酪産(ブチル酸)を中心とした揮発性脂肪酸も強い悪臭物質で、口臭に関与することが報告され、さらに、種々の細胞に対して、アポトーシスを誘導することが示されている。しかしながら、ブチル酸のマクロファージに関する作用につての検討はほとんど無い。そこで、ブチル酸を中心とした揮発性脂肪酸が、歯周炎の病態形成に関与する病原性因子として機能するか否か検討することは意義あることと考え、昨年度、検討を行った。その結果、炎症を終焉に誘導する物質として注目されている一酸化窒素(Nitric oxide; NO)により誘導されるマクロファージ様細胞RAW264.7細胞のアポトーシスを、揮発性脂肪酸であるブチル酸が抑制した。故に、この揮発性脂肪酸が、RAW264.7細胞のアポトーシスを強く抑制するメカニズムを検討した。その結果、以下の知見を得た。 RAW264.7細胞において、酪酸はNOによって誘導されるcytochrome cの放出とcaspaseの活性化を阻害したが、NO誘導性癌抑制遺伝子p53とアポトーシス促進性タンパク質Baxの発現を抑制しなかった。酪酸は、アポトーシス抑制タンパク質のBcl-2の発現を誘導した。このBcl-2のanti-sense oligonucleotideを用いた実験から、酪酸誘導性Bcl-2が、NOによって誘導されるRAW264.7細胞のアポトーシスに重要な役割を担っている可能性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)