2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣及び全身の健康状態と歯周病に関する疫学的研究
Project/Area Number |
19592418
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
柳沢 茂 Matsumoto Dental University, 総合歯科医学研究所, 教授 (20134942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 卓 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70164241)
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Keywords | 生活習慣病 / 歯周病 / ストレス要因 / 血液生化学検査 / 顎関節異常 / 大豆製品 / ロジスティック回帰分析 / 人間ドック |
Research Abstract |
本研究は平成18年3月〜20年3月の一般住民人間ドック受診調査で睡眠・食事摂取・血液生化学検査・歯と歯周組織状況の関連を国内外で初めて明らかにした。 調査概要 1.対象と平均年齢:5182名(男2524名:51.2歳±0.25,女2658名:49.1歳±0.22),喫煙872名,非喫煙4310名。 2.歯の状況(一人平均歯数)と喫煙の関係 喫煙群で歯の状況が悪い。(1)未処置歯・喫煙1.27>非喫煙0.69(2)喪失歯・喫煙2.54>非喫煙2.40、 その差は年齢が高まると開く(p<0.001)。(3)40〜50代未処置歯:喫煙1.17>非喫煙0.65 60〜70代未処置歯:喫煙1.58>非喫煙0.81(4)喪失歯・40〜50代:喫煙2.04>非喫煙1.56、60〜70代:喫煙7.23>非喫煙5.35。 3.喫煙と歯周病(CPI3または4)および歯牙喪失の関係 喫煙による影響をみると、CPI3(904名)の平均年齢は非喫煙55.7歳>喫煙52.4歳で、より低い年齢で歯周状態が悪化する(p<0.001)。更にCPI4(174名)では非喫煙57.5歳>喫煙51.3歳とその差が開く。そして60代における喫煙者の平均喪失歯数に2歯以上の差をもたらす(7.58歯>521歯, p=0.006)。 4食事状況とストレス(疲れが残る者)のロジスティック回帰分析 説明モデルに、「大豆製品摂取量」、「朝食欠食状況」、「総脂肪量」、「総タンパク量」、歯科保健要因に「顎関節異常」としたところ適合度も高く(Hosmer Lemeshow検定p>0.05)、そのOdds比は[朝食欠食」(1.614)ついで「顎関節異常」(1.132)が高い(p<0.005)。歯周病との関連をみると顎関節異常のある者(665名)ではCPI2が55.3%を占め、平均年齢45.8歳と低く、この年齢におけるストレス抑制要因に朝食欠食予防と歯周病予防が有効であることが示された。 5.血液生化学検査値と歯周病(CPI最大値3・4)のロジスティック回帰分析 CPI3・4(女424名:平均年齢54.6歳、男654名:同55.5歳)を従属変数とし、説明モデルに血色素量、空腹時血糖、AST、ASLを設けたところ、Odds比は血色素量(女1.21、男0.90)と女性で歯周病進行要因となることが示唆された。 なお複数受診者(872名)における受診後の改善等を加え新たに解析している。
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Research Products
(2 results)