2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592427
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐伯 由香 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70211927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 孝泰 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40214613)
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Keywords | 睡眠 / スリープレコーダー / 自律神経機能 / アクチグラフ / 無・低呼吸状態 |
Research Abstract |
本年度は、睡眠時に軽度の無・低呼吸症状のみられる成人女性を対象に、睡眠時無・低呼吸状態時の自律神経機能を調べた。自律神経機能の評価は心電図を記録することによって心拍数ならびに心拍変動の周波数解析を行い評価した。また、睡眠時の無・低呼吸状態についてはスリープレコーダーを用いて評価した。その結果、無・低呼吸時には-過性にR-R間隔が平均61.4±39.3msec減少していた。周波数解析では急激なHF成分の減少とLF/HFの増加が認めちれ、一時的に交感神経活動が優位になることが明らかとなった。これは無・低呼吸によるPaO2の低下とPaCO2の上昇によるものと考えられる。また、睡眠中R-R間隔は一時的な低下を何回か示しつつも漸次増加がみられたが、HF成分はそのような変化はみられなかった。したがっで、心拍数は漸次低下しても、必ずしも副交感神経系が優位な状態になっているとは言いがたいと考えられた。 通常、睡眠時は副交感神経系が優位な状態となり、心拍数も睡眠経過とともに低下することが知られている。このような睡眠過程において、副交感神経系が優位にならないあるいはなってもその程度が小さいということは質の良い睡眠の妨げになると考えられる。また、一時的ではあるが交感神経系が優位になるということは覚醒時に近い状態になると考えられ、このような状態が睡眠中に複数回起こると、睡眠の質にも影響を及ぼすことが予想される。質の良い睡眠を得るためには睡眠前に芳香療法や音楽療法、足浴などのケアが有効である可能性があり、今後の検討課題である。また、アクチグラフによる活動状況も記録しているため、それらと睡眠との関係も現在解析中である。
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